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2008年6月12日 (木)

ゆがんだ反撃

9条世界会議で雨宮処凛さんに関心をもって、
遅ればせながら『生きさせろ!』を読みました。

平和や環境にばかり目が向いていた私は、
格差社会の雇用の現状にすっかり打ちのめされてしまいました。

世界にとって、いまや共通のテーマともいえる「持続可能な社会」。
けれど、発展途上な国だけでなく、
この日本でも格差社会の深く暗い穴はどんどん大きくなっていて、
私達はいつ足をすべらし、落ちていくかわからないのだということを
息をのむほど実感したわけです。

考えてみれば、我が夫だって
その一見クリエイティブな肩書きとは裏腹に、
言ってみれば請負となんら変わりなく、
ボーナスも無ければ、退職金も無い。
身体を壊せばすぐさま無収入。
その場合の保証は自己責任です。
住宅ローンの返済も娘の学費も行き詰まることは確信できます。
実際、仕事単価も仕事量も減少しているわけで、
老後のための貯蓄なんて出来る状況ではありません。

ぼんやりとした不安が霧の様に我が家を包んでいる。
そんな感覚を持つ人は多いのではないでしょうか。

実際今の世の中不安だらけです。
食もエネルギーも高騰しつつあって、
さらにそこに安全とか安心を求めれば、
さらにさらにお金がかかります。

結局はお金の流れを変えなければ、
「持続可能な社会」は目指せないのではないかと、
今さらと思われる方もおられるでしょうが、
田中優さんが何年も言い続けてこられたことの本質を、
ようやく実感した気がしています。

私達が何を買うか、何にお金を使うか、
そのお金はどこに流れ、誰の収入になるのか。

消費はそこに関わる生産者、労働者を支援すること。
私が遺伝子組み換えや農薬を使用しない生産者を支えたければ、
彼らが作ったものを買えばいいわけですが、
だからといってお財布の中身は増えない訳です。
そう考えると、生活クラブなどの生協の、
「協同購入」という考えは素晴らしくないですか?
田中優さんの「NPOバンク」も同じ発想ですよね。

娘が少し前に社会で「ナイキ」のワークショップ問題を調べていました。
貧国で安い労働で不当に利益を上げている企業。
児童就労の問題でもあります。
そして、問題は私達がそこに関わっているということ。
安い賃金でも仕事が無いよりはましという考えもあるでしょう。
企業側の考えはそういうものらしいです。
または「家族」を底辺の受け皿と見る考え。
都合良く低コストで使い捨てにするために利用される「家族が大事」。
メディアの恐ろしさが垣間見えます。
いつのまにか刷り込まれ、個人の自立を阻み、自己責任で締めくくる。

でも今は「ベーシックインカム」という考えもあるそうです。
それはまさに雨宮さんがいうところの「生存権」。
生きている人に無条件で一定の支援をするというもの。
それは、極端に働かなくても食える社会ということではなくて、
生まれて来た事を歓迎し、
生きていく事を共有する発想ではないだろうか。

秋葉原の事件はあまりにもショッキングだった。
同様に『生きさせろ!』に出てくる過労自殺や
派遣やワーキングプアの状況も過酷だ。
容疑者の「死ねないから生きているだけ」は、
広い世代に共通する感覚かもしれない。
ワーキングプアの抵抗と共感する向きもあるようだけど、
彼にはグローバリゼーションに対する抵抗の思想なんてなくて、
誰にも構ってもらえない幼稚な不満しか感じられない。
彼の生い立ちやゲームやアニメやネット依存を分析したり、
批判しても事の本質は見えてこないのではないだろうか。

生まれて来た事を大歓迎し、
一緒に生きている事を喜び合い、
心から幸福と思えるには、
テレビに子守りさせたり、
何が入っているかわからないものでお腹を満たしていては
やっぱり違う気がするのです。

なんでもかんでも時間短縮が優先され、24時間は昔も今も変わらないのに、人生という袋にどれだけたくさんの物を詰め込めるかの競争をしているみたいに忙しいか、
市場での負けが人生の負けだと思い込んでしまい、世の中は変えられないものと感じているみたいだ。

だけど本当にそうだろうか。
韓国の牛肉問題はすごいパワーを生み出している。

数の力はあなどれない。

明日多くの私達が、貯蓄を全て降ろし始めても何も変わらないだろうか?

この国の生存権を握っているのは誰なのか?

生きさせろ! 難民化する若者たち


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