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2008年6月

2008年6月22日 (日)

9条世界会議ーイラク・アメリカ・日本

2日目の終了間際、ブースは展示とカードの無人販売だけにして、
「イラク、アメリカ、日本」ユースディスカッションの部屋へ。

パネリストは、イラクで拘束された高遠菜穂子さん、
元イラク軍兵士で米軍に拘束された経験もあるカーシム・トゥルキさん、
米軍イラク帰還兵で良心的兵役拒否をしたエイダン・デルガドさん、
右翼バンド時代にイラクに招待された経験を持つ作家の雨宮処凛さん。

なんという組み合わせ!!!
現在は、イラクのラマディ再建にすばらしい成果をあげているカーシムさんには、昨年の初来日のときにもお会いしていて、個人的に感慨深いものがありました。(過去の記事をご覧ください。)

エイダンさんは、あのアブグレイブ刑務所で通訳として働いていたようで、実際の戦闘の経験はないようです。
私達が見たあの写真の数々...イラク人への常軌を逸した米軍兵士の行為を撮ったもの...あれらはエイダンさんが公表したものだったのです。

会場で公開された写真は、想像を絶するものでした。
言葉にするのもためらいがあります。
(NEWS23では、ほぼそのまま放送していました。)
でも、それらの行為をしている兵士達は、
特に凶暴な性格とか異常者ではなく、普通の若者。
彼らの多くはは貧困から脱するために戦場に来た若者達。
教育の不在、死への恐怖、
そして、反アラブ、反イスラムのプロパガンダが
残虐性を正当化してしまうのです。

エイダンさんの勇気ある行動が無ければ、
私達が知る事はなかったか、
あるいは随分後になってからになったでしょう。

カーシムさんは、イラクのような状況でも、
「9条は通用する」と言いきっていました。

それは、彼が多くの肉親や友人を失いながらも、
報復から再建への道のりを築いてきたこと、
たくさんの報復へ向かおうとしていた人々を
再建復興に導くことができた体験からくる自信でした。

そして、大切な事は彼を支援して来たのは、
日本の高遠さんやNGOなのです。
日本政府は私達の税金をイラク政府への支援に充てていますが、
そのほとんどが有効に使われていないという事です。
高遠さんやJIM-NETは、モニタリングをし、地元スタッフを雇い、
ローコストで確実な支援を行っています。
そして、お金の行方は公開しています。
以前、JIM-NETの佐藤氏に伺ったのですが、
人件費はカタログハウスが出してくれているという事です。
だから、寄付金は全て、イラクの人たちのために使えるそうです。

私達は、私達のお金が何に使われているか、
その事に対して、もっと厳しくならないといけないと思います。
税金だけではありません。
預貯金だって他国の戦争資金になっているかもしれないし、
何を買うかで世の中にとって有害な企業を
大企業に育てているかもしれないのです。

消費の裏側で何が起きているのか、
もっと知る必要があると思います。

*マガジン9条の中の「雨宮処凛が行く!」にも、
このときの記事があります。
彼女の記事はどれもおもしろい!
http://www.magazine9.jp/karin/080521/080521.php

Kasimshionnahoko


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2008年6月17日 (火)

9条世界会議ー環境と平和をつなぐ3

なんと時間の経つ事の早い事...
この間にいろんなことが起きた。
四川での大地震、マンションでの隣人殺人、
秋葉原の壮絶な事件、そして岩手・宮城地震。
たくさんの命が失われました。
ガンになって余命宣告されなくとも、
人はみな余命を背負って生きている。
だけど、だけど、理不尽な死は許せない。
ほんのわずかな危険な人間のために、
たくさんの人が生きるよろこびを奪われている。
それは失われた命の何倍も存在する。
大切な人を失った人。
失われた命に続くはずだった人。
心から平和を望みます。

そして考えました。
平和な社会ってなんだろう?って。

やっぱりそれは「持続可能な社会」だと思う。
みんなが生まれて来た事を歓迎され、
生きていく事を喜びあえる社会。

そのひとつの方法が、エクアドルのコタカチ郡知事の
アリキさんが12年のキャリアのなかで実践して来た
「参加民主主義」かもしれない。(31才で就任されてます)
アリキさんは先住民の知恵を生かした「持続的発展」を提唱してきた。
それは、「なまけものにならない、うそをつかない、盗まない」という
先住民の知恵を生かし、政府と市民がとことん話し合うこと。
辻信一氏はひとつだけ共感できないと笑っていました。
(ナマケモノ倶楽部代表ですしね...)
それに、developmentを開発と通訳の方が訳したのを、
発展と言い直す場面も。
辻さんにとって開発は破壊をイメージするようで、
同時通訳だから日本語が与えるイメージまでは訳せないし、
でも、だからこそやっぱり英語勉強しよっと、その時は思った。
コタカチ郡では「対話」と「共に働くこと」が大切にされてきた。
100%住民参加の地域における投資。
2005年には、コタカチの識字率はほぼ100%!
乳幼児死亡率はほぼ0%!だそうだ。
『エコロジカルコタカチ宣言』を掲げるアリキさんだが、
現政権とのギャップが難題らしい。

誰の発言かは忘れましたが、
豊かさの代名詞のように使われるGNPについて、
ここに含まれている物は物質の豊かさ、危険、汚染。
本当に大切なものー人格や共同体ーは含まれていない。
R.F.ケネディの1968の演説の引用だったかな。

最後にアリスさんから、
市民パワーを発揮し、政治家へのアクションをし続けること。
星川さんからは、
納税者としての見識を持とうというお話しがあった。
フロアーからは、ダグラス・ラミスさんから、
今の日本は日米安保が形づくっているという発言がありました。
(ダグラスさんは著作多数。必読!)

同じ平和憲法を持つ国として、一目おいてきたコスタリカも、
新自由主義の風が吹いているらしい。
辻さんから再度語られたのは、
パックスエコノミカからパックスエコロジカへのシフトだった。

全体を通して、六ヶ所村再処理工場を稼働させてはならないという発言も多かったのはうれしかった。
原子力施設は兵器工場という意識を持った発言だった。
さぁ、この先は我々のスタンスが問われます。

ダグラス・ラミスさんの本

日本は、本当に平和憲法を捨てるのですか?  普通の国になりましょう


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2008年6月12日 (木)

ゆがんだ反撃

9条世界会議で雨宮処凛さんに関心をもって、
遅ればせながら『生きさせろ!』を読みました。

平和や環境にばかり目が向いていた私は、
格差社会の雇用の現状にすっかり打ちのめされてしまいました。

世界にとって、いまや共通のテーマともいえる「持続可能な社会」。
けれど、発展途上な国だけでなく、
この日本でも格差社会の深く暗い穴はどんどん大きくなっていて、
私達はいつ足をすべらし、落ちていくかわからないのだということを
息をのむほど実感したわけです。

考えてみれば、我が夫だって
その一見クリエイティブな肩書きとは裏腹に、
言ってみれば請負となんら変わりなく、
ボーナスも無ければ、退職金も無い。
身体を壊せばすぐさま無収入。
その場合の保証は自己責任です。
住宅ローンの返済も娘の学費も行き詰まることは確信できます。
実際、仕事単価も仕事量も減少しているわけで、
老後のための貯蓄なんて出来る状況ではありません。

ぼんやりとした不安が霧の様に我が家を包んでいる。
そんな感覚を持つ人は多いのではないでしょうか。

実際今の世の中不安だらけです。
食もエネルギーも高騰しつつあって、
さらにそこに安全とか安心を求めれば、
さらにさらにお金がかかります。

結局はお金の流れを変えなければ、
「持続可能な社会」は目指せないのではないかと、
今さらと思われる方もおられるでしょうが、
田中優さんが何年も言い続けてこられたことの本質を、
ようやく実感した気がしています。

私達が何を買うか、何にお金を使うか、
そのお金はどこに流れ、誰の収入になるのか。

消費はそこに関わる生産者、労働者を支援すること。
私が遺伝子組み換えや農薬を使用しない生産者を支えたければ、
彼らが作ったものを買えばいいわけですが、
だからといってお財布の中身は増えない訳です。
そう考えると、生活クラブなどの生協の、
「協同購入」という考えは素晴らしくないですか?
田中優さんの「NPOバンク」も同じ発想ですよね。

娘が少し前に社会で「ナイキ」のワークショップ問題を調べていました。
貧国で安い労働で不当に利益を上げている企業。
児童就労の問題でもあります。
そして、問題は私達がそこに関わっているということ。
安い賃金でも仕事が無いよりはましという考えもあるでしょう。
企業側の考えはそういうものらしいです。
または「家族」を底辺の受け皿と見る考え。
都合良く低コストで使い捨てにするために利用される「家族が大事」。
メディアの恐ろしさが垣間見えます。
いつのまにか刷り込まれ、個人の自立を阻み、自己責任で締めくくる。

でも今は「ベーシックインカム」という考えもあるそうです。
それはまさに雨宮さんがいうところの「生存権」。
生きている人に無条件で一定の支援をするというもの。
それは、極端に働かなくても食える社会ということではなくて、
生まれて来た事を歓迎し、
生きていく事を共有する発想ではないだろうか。

秋葉原の事件はあまりにもショッキングだった。
同様に『生きさせろ!』に出てくる過労自殺や
派遣やワーキングプアの状況も過酷だ。
容疑者の「死ねないから生きているだけ」は、
広い世代に共通する感覚かもしれない。
ワーキングプアの抵抗と共感する向きもあるようだけど、
彼にはグローバリゼーションに対する抵抗の思想なんてなくて、
誰にも構ってもらえない幼稚な不満しか感じられない。
彼の生い立ちやゲームやアニメやネット依存を分析したり、
批判しても事の本質は見えてこないのではないだろうか。

生まれて来た事を大歓迎し、
一緒に生きている事を喜び合い、
心から幸福と思えるには、
テレビに子守りさせたり、
何が入っているかわからないものでお腹を満たしていては
やっぱり違う気がするのです。

なんでもかんでも時間短縮が優先され、24時間は昔も今も変わらないのに、人生という袋にどれだけたくさんの物を詰め込めるかの競争をしているみたいに忙しいか、
市場での負けが人生の負けだと思い込んでしまい、世の中は変えられないものと感じているみたいだ。

だけど本当にそうだろうか。
韓国の牛肉問題はすごいパワーを生み出している。

数の力はあなどれない。

明日多くの私達が、貯蓄を全て降ろし始めても何も変わらないだろうか?

この国の生存権を握っているのは誰なのか?

生きさせろ! 難民化する若者たち


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